ドイツ連邦雇用庁(BA)が3日発表した5月の失業者数は281万3,000人となり、前月から16万9,000人増加した。増加幅は前月の同30万8,000人から縮小したものの、依然として大きく、失業率は0.3ポイント増の6.1%へと上昇。季節要因を加味した失業者数は23万3,000人、拡大した。新型コロナ危機が原因で失業した人は失業者全体の約2割を占める。
失業者数は前年同月比では57万7,000人増加した。失業率は同1.2ポイント上昇している。
国際労働機関(ILO)基準の4月の失業率は4.3%で、前月の3.8%を0.5ポイント上回った。
操短の対象となっている被用者は4月末時点で約600万人に達した。ドイツが戦後最大の不況に陥った2009年でもピーク時の操短対象者数は150万人にとどまっており、現在の数値は異例だ。今年は最大750万人に増え、年平均でも220万人に上るとBAは予想している。
5月の求人件数は58万4,000件で、前年同月を20万8,000件下回った。季節要因を加味した前月比でも4万4,000件減少している。求人指数BA-Xは前月から3ポイント減の91へと低下。前年同月比では38ポイント落ち込んだ。
一方、連邦統計局が同日発表した4月の就労者数は4,480万人となり、前年同月比で0.5%減少した。減少は2010年3月以来で10年1カ月ぶり。季節要因を加味した実質では前月比の減少幅が0.6%に上った。