4月製造業受注26%減少、下落幅は統計開始後最大に

ドイツ連邦統計局のデータをもとに連邦経済省が5日発表した4月の製造業新規受注指数は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比25.8%減(暫定値)となり、下げ幅は前月の15.0%から一段と拡大した。低下率は統計を開始した1991年以降で最大。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために国内を含む主要市場の大半で営業・外出制限が行われたことが響いた格好。新規受注は大型受注を除いたベースでも25.1%落ち込んだ。

新規受注を地域別でみると、国内は22.3%、ユーロ圏(ドイツを除く)は30.6%、ユーロ圏外は26.7%減少した。

部門別では投資財の減少幅が特に大きく、30.6%に達した。ユーロ圏が40.4%、ユーロ圏外が31.2%、国内が24.4%の幅で縮小した。

中間財は22.7%後退した。地域別の内訳は国内が21.5%減、ユーロ圏が23.6%減、ユーロ圏外が23.9%減。

消費財は減少幅が11.4%と、他の部門に比べ小さかった。ユーロ圏外が2.4%の縮小。ユーロ圏と国内はそれぞれ15.1%減、16.1%減だった。

経済省は多くの国で制限措置が緩和されていることを受けて、製造業の景気後退は底を打った可能性があるとの見方を示した。ただ、新型コロナの影響で世界経済は低迷しており、輸出産業が本格回復する見通しは立っていない。資産運用会社DWSのエコノミストはロイター通信に「世界が戦後最も深刻な景気後退に陥っている限り、ドイツ経済(特に製造業)の苦境も続く」との見方を示した。

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