独旅行大手TUIの航空子会社TUIフライが保有機数を半分に減らすことが5日、明らかになった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて需要が大幅に落ち込んでいることから、不要となった機材を手放す意向だ。これに伴い事業拠点の閉鎖と人員削減も実施する。
TUIフライは観光客専門の航空会社で、ボーイング737を39機、保有している。これまではバカンスシーズンに機材をフル活用し、冬季など観光客が少ないオフシーズンは機材を他社に貸し出してきた。だが、新型コロナの流行を受けて、そうした事業モデルでは生き残りが難しくなっていることから、機材を減らし年間を通して高い搭乗率を保てるようにする意向だ。
事業縮小に伴いケルン、ブレーメン、ミュンスター、オスナブリュックの拠点を閉鎖する。人員削減の規模は従業員代表と今後、行う交渉で決まる。ロイター通信によると、フルタイム勤務の社員およそ2,000人のうち約1,000人が整理される見通しだ。内訳はパイロットが270人、客室乗務員が430人、技術者が190人、管理部門と地上勤務の職員が計270人。
親会社のTUIも経営が悪化しており、4月初旬に国の融資保証18億ユーロを受けた。ニュースポータル『ビジネス・インサイダー』によると、国の経済安定化基金(WSF)を通してさらに12億ユーロの支援を受けることを政府に打診しているという。