メルセデスが中国電池メーカーと戦略協業

独ダイムラーの乗用車・バン子会社メルセデスベンツは3日、中国のリチウムイオン電池メーカー、ファラシス・エナジーと戦略協業合意したと発表した。2039年までにカーボンニュートラルを実現するという目標実現に向けた取り組みの一環。ファラシスに資本参加するほか、高性能電池セルの開発で協力する。同社が中国の電池メーカーに出資するのは初めて。

ファラシスは02年に米カリフォルニア州のシリコンバレーで設立された。従業員数は現在3,500人強。米国と中国に研究センターがあり、中国の江西省カン州市と江蘇省鎮江市に計2工場を持つ。本社は現在、江西省カン州市に置かれている。

メルセデスは昨年9月、ファラシスからセルを調達することで合意した。ドイツと米国、中国の工場で生産する電動車向けのセルの供給をファラシスから受ける。

ファラシスは独米でのメルセデスへの供給に向けて両国に工場を建設する計画。独工場は同国東部のビッターフェルト・ヴォルフェンに設置することが決まっている。

今回の戦略協業合意ではメルセデスがファラシスの新規株式公開(IPO)に際して株式およそ3%を引き受けることを取り決めた。出資額は百万ユーロのケタ台という。ファラシスの監査役会に役員1人を派遣する。

開発面では◇電動車の航続距離を大幅に引き上げるために電池密度を引き上げる◇充電時間を大幅に短縮できるようにする◇新規開発したセルの量産化を迅速に実現する――ために協業する。