ソーラー発電設備のレンタルサービスを手がける独スタートアップ企業エンパルが世界最大のモジュールメーカーである中国の西安隆基新能源有限公司(Longi Energy)から製品供給を受ける契約を結んだ。エンパルへの取材をもとに経済紙『ハンデルスブラット(HB)』が報じた。
エンパルは2017年の設立。ソーラー発電設備を世帯向けにレンタルするサービスを手がけている。顧客は自宅家屋の情報をネット上の書式に入力すると、適切なソリューションの提案とテレビ電話によるコンサルティングを受けることができる。設置を決定すると、設備が取り付けられる。レンタル期間は20年で、その後は設備を低価格で買い取ることが可能だ。
ドイツのソーラー発電設備市場では製品の販売が主流をなし、レンタルはニッチな分野にとどまるものの、同社の業績は昨年、前年比で300%拡大した。ネット分野のスタートアップを支援する投資会社ロケット・インターネットの創業者、アレクサンダー・ザムヴァー氏など有力な投資家から資金を調達しており、年末には国外市場の開拓に乗り出す予定だ。
エンパルは西安隆基新能源から太陽光発電モジュールのほか、インバーターや足場なども調達する。ヘニング・ラート最高サプライチェーン責任者(CSCO)はHB紙に、「パンデミックの時代ではサプライチェーンの安定性がとてつもなく重要だ」と明言。自ら中国で調達業務の指揮を執ることで製品を確実に入手・輸送する考えを表明した。現地ではすでに調達ネットワークを構築済み。現地で交渉した方が調達価格を抑制できるメリットもあるとしている。
同社はドイツでこれまでに計6,500セットの施設を設置した。来年は最大1万2,000セットに拡大する目標だ。