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2020/9/10

ドイツ経済ニュース速報

BASFが電力変換装置の韓スタートアップと協業

化学大手の独BASFは10日、電力変換装置の開発・生産を手がける韓国のスタートアップ企業Gフィロスと協業することで基本合意したと発表した。Gフィロスのパワー・ツー・ガス(P2G)事業を支援する。 P2Gは再生可能エネルギー電力を用いてガスを生産する技術。Gフィロスは水素生産のP2Gプロジェクトを韓国内外で実施する。 BASFは完全子会社BASFニュービジネス(BNB)を通して同プロジェクト向けに、再生エネの電力供給を安定化させるのに適したナトリウム・硫黄電池(NAS電池)を提供する。また、NAS電池向け電力変換システム事業開発を支援する。これにより、環境にやさしい水素生産向けのP2G設備分野でシナジー効果を引き出す考えだ。 NAS電池に蓄えられた電力を使用するためには変電を行う必要があることから、BASFは電力変換分野で高い技術を持つGフィロスと手を組む。BNBの役員は「グリーンな水素生産は将来性の高い市場であり、NAS電池の有望な投入分野だ。Gフィロスという強力で有能なパートナーを得ることで、このチャンスを巨大な事業に発展させていく」と抱負を語った。 韓国政府は温暖化防止に向けて「グリーン・ニューディール政策」を打ち出している。再生エネを拡大するとともに、これを利用した水素生産の商業化を実現する目標だ。