機械業界のV字回復は期待薄

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は28日、会員企業522社を対象に23-24日の2日間、実施したアンケート調査の結果を発表した。それによると、新型コロナ危機で落ち込んだ売上高が2021年に危機前(2019年)の水準へと回復するとの回答は18%にとどまり、6月中旬の30%から大幅に減少した。VDMAの主任エコノミストは「機械業界の景気回復の勢いは最近、弱まっている」述べ、V字回復の可能性はほぼなくなったとの認識を示した。

受注の減少・キャンセルの影響が「大きい」ないし「深刻」と答えた企業は計77%で、7月上旬の前回調査(同79%)からやや減少したものの、減少幅が小さかった。最悪期の5月上旬(85%)に比べても改善幅は8ポイントにとどまる。

今後3カ月で「受注減・キャンセルの状況」が「改善する」との回答は前回の26%から20%へと減少。「悪化する」は16%から17%へと増えた。

景気回復のリスク要因としては「感染第二波の到来/全国的なロックダウンの再導入」が最も多く、計91%が「深刻な要因」ないし「大きな要因」と答えた。これに「保護主義の強まり」が84%で続いた。

需要減と先行き不透明感を反映し、「従業員5-15%の削減」を計画する企業は全体の約75%を占めた。