独ロベルト・コッホ研究所(RCI)が8日発表した新型コロナウイルスの国内新規感染者数は4,058人となり、4月以降の最高を更新した。前日(2,828人)から43%も増えており、RKIのロタール・ヴィーラー所長は1万人を突破する可能性を排除できないと危機感を表明した。
人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数は20.2人に達した。ベルリンの4地区とブレーメン市、フェヒタ郡、ハム市、ハーゲン市、レムシャイト市、オッフェンバッハ市、エスリンゲン郡の計11地域では現在、国(連邦)と州が警戒水準とする50人を超えている。
一方、国内16州のうち11州は7日、同感染者数が50人を超えた地域からの旅行者をホテルなどの宿泊施設に泊めることを禁止することで合意した。これによりブレーメンなど危険地域の住民は秋休みなどを利用して旅行する場合、宿泊先地域の選択肢が大幅に狭まった。テューリンゲン、ベルリン、ニーダーザクセン、ブレーメン、メクレンブルク・フォーポマーンの5州は同意を見合わせた。
新たに感染する人は若年層が多い。このため死亡者と重篤化する患者は少なく、8日の発表では新規の死亡者が16人にとどまった。
集中治療ベッドで治療を受けている新型コロナ患者は現在470人。国内の集中治療ベッドは8,500床が空いているうえ、予備が1万2,000床あることから、現時点で医療崩壊の恐れはない。また、医療機関の集中治療ベッドはすべてオンラインで登録されていることから、重篤患者が今後、大幅に増えて集中治療ベッドが不足する地域が出てきても、キャパシティにゆとりのある他の地域の病院に患者を速やかに輸送できる状況にある。イエン・シュパーン保健相は「医療体制はパンデミックに万全に対応できる」と自信を示した。
アンヤ・カルリツェク研究相によると、来年夏には新型コロナワクチンを市民の広い範囲に接種できるようになるとの見通しを示した。