自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が16日発表した9月のグループ新車販売台数は93万3,600台となり、前年同月を3.3%上回った。販売増は今年初めて。独同業ダイムラー、BMWも7-9月期(第3四半期)の販売が増加へと転じており、自動車業界は新型コロナ危機から回復しつつあるようだ。
VWの9月販売をけん引した地域は足元の西欧で、前年同月比10.3%増の30万800台と2ケタ台の伸びを記録した。東欧も3.4%増加。中東・アフリカは7.8%拡大した。
中国は0.9%増の38万7,500台と増加幅が小さかった。世界販売に占める同国の割合は41.5%と4割を超えている。
中国以外のアジア太平洋は0.6%減、北米は5.3%減、南米は4.4%減だった。
ブランド別ではアウディが18.4%増、VWブランド商用車が13.3%増と特に好調だった。主要ブランドではこのほか、MAN(5.4%増)、シュコダ(2.6%増)、セアト(0.6%増)が前年同月を上回った。VWブランド乗用車は0.7%、ポルシェは0.2%、スカニアは9.1%落ち込んだ。
1-9月期のグループ販売台数は650万4,700台で、前年同期を18.7%割り込んだ。販売はすべての地域で減少。減少幅は欧州で27.0%、南米で25.1%、北米で21.9%、中東欧で18.4%、中東・アフリカで15.5%、中国を除くアジア太平洋で10.4%、中国で10.0%に上った。世界販売に占める中国の割合は40.9%だった。
1-9月期の販売をブランド別でみると、VWブランド乗用車は18.6%減、アウディは12.5%減、シュコダは21.0%減、セアトは30.3%減、ポルシェは5.3%減、VWブランド商用車は26.4%減、MANは23.4%減、スカニアは36.1%減だった。