独銀最大手のドイツ銀行は9日、IT子会社ポストバンク・システムズを印ITサービス大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)に完全売却することで合意したと発表した。昨年7月に打ち出した事業再編計画の一環。ドイツ銀は傘下ブランド「ポストバンク」のITシステムを自行のプラットホームに統合することから、不要となったポストバンク・システムズを放出する。取引価格は明らかにしていない。売却に伴い約1億2,000万ユーロの損失を計上する。当局の承認を経て取引が年末に完了すると見込んでいる。
ポストバンクはリテール銀行。2010年にドイツ銀の傘下に入り、12年には完全子会社となった。現在は「ポストバンク」ブランドで事業を展開しているものの、法律上はドイツ銀の支店扱いとなっている。
ドイツ銀では老朽化した様々なITシステムが互換性のないまま使用されており、これが刷新を妨げる大きな要因となっている。この問題の解決策の一環としてポストバンクのITシステムはドイツ銀のものに統合される。
ポストバンク・システムズの売却に伴い同子会社の社員1,500人はTCSに移籍する。TCSは今回の買収により、ドイツと金融機関向けサービス事業を強化する意向だ。