「ワクチンですべてが変わる」、来年は5%成長も可能

独ビオンテックと米ファイザーが共同開発する新型コロナウイルス用ワクチンは効果が極めて高いとする暫定結果の発表を受けて、景気の先行き見通しがにわかに明るくなってきた。独世界経済研究所(IfW)のガブリエル・フェルバーマイル所長は10日ロイター通信に、「有効かつ副作用の少ないワクチンはすべてを変える」と述べ、景気の大きなプラス材料だとの見方を示した。ワクチンの優先接種によりリスクグループの感染を防止できれば、イベントや飲食、宿泊などコロナ禍の影響を強く受けている多くの業界で景気が回復すると指摘。国民の50-60%が接種すれば制限措置は不要になると明言した。

IfWはこれまで、新型コロナの感染を来春以降、抑制できれば2021年の独国内総生産(GDP)成長率は4-5%に達するとの予測を提示してきた。同所長はワクチン開発成功の見通しが高まったことで「このシナリオはますます現実味を帯びてきた」と述べた。