独ロベルト・コッホ研究所(RKI)は11日、新型コロナウイルスの10日の新規感染者数が2万9,875人となり、過去最高となった前日(2万3,679人)から一気に6,000人以上、増加したことを明らかにした。11月初旬に導入した緩やかなロックダウン(都市封鎖)では感染拡大を十分に抑制できないことが鮮明となっており、州首相の間では本格的なロックダウンを全国レベルで早急に導入するよう求める声が強まっている。アンゲラ・メルケル連邦首相と16州の首相の緊急会議を今週末に開く方向で現在、調整中だ。
人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数は156人で、前日から7人増えた。ドイツでは同50人を超えた地域を「危険地域」に指定しており、同国は危険水準の最低ラインの3倍を超えたことになる。すべての州が50人超となっており、最大のザクセンは313人に達した。一時は50人を下回っていたシュレスヴィヒ・ホルシュタインとメクレンブルク・フォーポマーンの両州もそれぞれ68人、71人に達した。
10日の感染死者数は598人で、こちらも過去最高を更新した。
ドイツではこれまで、メルケル首相が感染防止策の強化を強く訴えてきたものの、感染者数が比較的少ない州は抵抗。感染防止策を決定する権限は各州にあることから、今春のような本格的なロックダウンは全国レベルで実施されてこなかった。
だが、新規感染者数が一向に減らず集中治療を受ける患者が増加し続けていることから、バイエルンとザクセンの両州は州レベルでの本格的なロックダウン導入を決定。バイエルンは9日付で実施した。ザクセンも14日から導入する。バーデン・ヴュルテンベルク州は12日から外出を制限をすることを11日に明らかにした。
他の州でも両州に追随する動きが強まっている。デュッセルドルフを州都とするノルトライン・ヴェストファーレン州のアーミン・ラシェット首相は11日、「クリスマスまで待つことはできない」と述べ、各州が足並みをそろえ食料品店など一部の例外を除き小売店の営業を可能な限り早く禁止することを提案した。全国レベルの規制を求めるのは、規制の緩い州があると他の州からショッピング客が押し寄せ、感染拡大の防止効果が弱まるためだ。人口当たりの新規感染者数が最も少ないシュレスヴィヒ・ホルシュタイン、メクレンブルク・フォーポマーン両州の首相も全国レベルの小売店規制強化を支持しており、国と州がハードなロックダウンを取り決める公算は極めて高い。