製薬大手の独バイエルは7日、新型コロナウイルス用ワクチンを開発中の独バイオ医薬品企業キュアバックを支援することで合意したと発表した。キュアバックは事業規模が小さく、医薬品の認可手続きに不慣れなうえ、輸送能力も限られることから、これらの分野でノウハウや高い能力を持つバイエルの協力を受け、ワクチンの速やかな承認獲得や供給を実現する。競合の独ビオンテックは米製薬大手ファイザーと手を組むことで、世界に先駆けてコロナワクチン開発と承認取得に成功しており、キュアバックも同様の手法を取ることにした。
キュアバックはビオンテック/ファイザー連合と同様に、メッセンジャーRNAを利用したワクチンを開発している。12月に治験の最終段階に当たる第2b/3相臨床試験を開始した。同試験の暫定結果は3月末に公表される見通しだ。
バイエルはキュアバックのワクチン開発と承認申請、副作用情報などを収集・評価する医薬品安全性監視(PV)、輸送などで支援を行う。また、欧州域外の国で医薬品市販承認取得者(MAH)となるオプション権を取得する。
欧州連合(EU)はキュアバックのワクチンをまず2億2,500万回分を購入する。追加で最大1億8,000万回分を調達できることから、購入量は最大4億500万回分に達する。