電機業界受注3カ月連続増に、生産は1年2カ月ぶりに拡大

独電気電子工業会(ZVEI)が11日発表した同国電機業界の11月の新規受注高は前年同月比14.0%増と大幅に伸びた。比較対象である2019年11月の水準が低かったという事情はあるものの、拡大は3カ月連続となっており、新型コロナ危機からの回復は一段と鮮明になってきた。

国内受注が16.7%増加。国外もユーロ圏が10.2%、ユーロ圏外が12.6%伸びた。

1-11月の新規受注高は前年同期を4.8%下回った。ユーロ圏とユーロ圏外がそれぞれ9.0%、8.2%縮小。国内は0.1%減となり、前年同期の水準をほぼ回復した。

11月の業界生産高は物価調整後の実質で前年同月を2.5%上回った。増加は19年9月以来で、1年2カ月ぶり。1-11月の生産高は前年同期比7.0%減となったものの、減少幅は1-10月の同8.1%から縮小した。

12月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合は前月の15.7%から27.4%へと増加した。「縮小」が横ばいの同13.3%にとどまったことから、拡大の割合から縮小の割合を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI、無効回答を除いたベースで算出)は前月の2.5ポイントから14.5ポイントへと大きく上昇した。同DIがプラスの領域に入るのは4カ月連続。

同DIが特に高かった部門は通信機器(45.7ポイント)、計測機器・プロセスオートメーション(45.3ポイント)、配線システム(36.1ポイント)、電子部品(27.3ポイント)、ケーブル(23.5ポイント)。マイナスの領域に沈んだのは15部門中5部門だった。

11月の業界売上高は前年同月比2.7%増の170億ユーロとなり、2カ月連続で拡大した。地域別の内訳は国内が1.7%増、ユーロ圏が9.1%増、ユーロ圏外が0.4%増だった。

1-11月の売上高1,638億ユーロで、前年同期を6.2%割り込んだ。国内が5.8%、ユーロ圏が6.3%、ユーロ圏外が6.7%減少した。

12月の業界景況感指数(現状判断指数と期待指数の中央値)は前月の5.1から12.2へと上昇し、3カ月連続でプラスの領域を保った。改善は8カ月連続。現状判断指数(現状を「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数=DI)が0.7ポイントから3.6ポイント、期待指数(今後6カ月の見通しが「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数=DI)が9.5ポイントから21.2ポイントへとともに上昇した。

景況感指数は娯楽家電(36.4)、情報機器(34.3)、白物家電(22.4)で特に高かった。鉄道車両(-26.8)、通信機器(-10.8)、照明(-0.6)の3部門は現状判断が振るわないことから、これまでに引き続きマイナスの領域にとどまった。

今後3カ月の輸出見通しを示す指数(DI)をみると、12月は前月の4.6ポイントから12.7ポイントへと上昇し、3カ月ぶりに好転した。プラスの領域に入ったのは15部門中12部門(前月8部門)。マイナスに沈んだのはケーブル(-5.0ポイント)と医療機器(-4.9ポイント)の2部門だけだった。

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