シーメンス好調、デジタル産業は57%増益に

電機大手の独シーメンスは21日、2020年10-12月期(第1四半期)の業績が市場予想を大幅に上回ったと発表した。3部門中2部門で営業増益を確保。デジタル産業部門と中国事業が特に好調だった。同社全体の売上高や利益は明らかにしていない。

デジタル産業部門の営業利益(EBITA、調整済み)は8億4,800万ユーロとなり、前年同期を57%上回った。利幅の大きいオートメーション製品の需要が回復したほか、ソフトウエア事業が好調だったことが大きい。売上高は37億6,500万ユーロで、実質5%増加。売上高営業利益率は前年同期の16.6%から22.5%へと上昇した。

スマートインフラ部門のEBITDA(同)も39%増の3億9,100万ユーロへと大きく伸びた。すべての事業分野が好調で稼働率が向上したことが背景にある。売上高は4%増の34億7,700万ユーロで、売上高営業利益率は9.0%から11.2%へと高まった。

モビリティ部門のEBITDAは4%減の2億1,900万ユーロへと縮小した。コロナ禍が響いた格好。売上高営業利益率は横ばいの10.0%だった。新規受注高は実質67%増の27億4,200万ユーロと大幅に拡大した。

人員削減費用の減少と、コロナ禍を受けたコスト削減は営業利益を押し上げたとしている。