「すでに感染第3波の渦中に」、開業医での接種開始は4月中旬

独ロベルト・コッホ研究所(RKI)のロタール・ヴィーラー所長は10日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部記者会(ACANU)で「ドイツでは(新型コロナウイルス)感染の第3波がすでに始まっている」との認識を示した。従来のウイルスに比べ感染力の高い英国株「B117」が急速に広がっており、同所長は深い憂慮を表明。マスク着用や社会的距離など感染防止ルールを厳格に守ることが重要だと訴えた。

RKIによると、新型コロナの新規感染者数は10日に1万4,356人となり、前週同日に比べ2,400人増加。1月下旬以来の高水準に達した。人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数は69.1人で、前日の65.4人から3.7人増えている。新規感染件数に占める英国株の割合は3月第1週に約55%となり、前週の46%から9ポイント増加した。

ヴィーラー所長は、ワクチン接種は変異株との競走だと述べ、接種を速やかに行うことが重要だと強調した。そのうえで、ワクチン生産の支障などで接種が中断されなければ秋までに国民の80%が免疫を獲得すると指摘。そうなれば制限措置をすべて解除できると明言した。

ドイツ政府と国内16州の政府はワクチン接種を加速するため、新たに開業医と産業医でも接種を受けられるようにする意向だ。イエン・シュパーン連邦保健省と州保健相は10日、開業医での接種を遅くとも4月19日までにスタートさせることを取り決めた。