高級乗用車大手の独BMWは17日、車両の電動・デジタル化に向けたロードマップを発表した。競合フォルクスワーゲン(VW)も同様の計画を前日に打ち出したばかり。独メーカーは構造転換に向けた長期の時程表を明確化している。
BMWは2020年までを電動・デジタル化の第1フェーズとしたうえで、今後の取り組み・目標を明らかにした。25年までを第2フェーズ、26年から30年までを第3フェーズと位置付けている。
第2フェーズではまず今年から、新たな車載OS「BMWオペレーティング・システム8」の搭載を開始する。これによりソフトウエアを高速で無線(OTA)アップデートできるようになる。同機能を持つ車両は年末までに200万台を超える見通し。
電気自動車(EV)の販売台数は25年まで年率50%以上のスピードで増やしてく。同年末までの累計販売数を200万台超とする目標だ。
第3フェーズではEVの販売を年20%以上、拡大してき、30年には世界販売の50%超をEVとする。燃料電池車(FCV)の投入も視野に入れている。
グループブランドの「ミニ」は30年代初頭から販売をEVに一本化する。これに伴い内燃機関車の新モデル投入は25年が最後となる。
主力ブランド「BMW」ではガソリンエンジンとディーゼルエンジンの開発を継続する。VWの高級車子会社アウディはエンジン新規開発の打ち切りを表明したが、BMWのオリファー・チプセ社長は「内燃機関車には将来がある」と明言。需要がなくならない限り開発を止めない考えを表明した。