ビオンテックがシンガポールにハブ拠点、ワクチン・がん治療薬生産へ

独バイオ医薬品企業ビオンテックは10日、シンガポールをアジア太平洋地域のハブ拠点とする計画を発表した。事業の国際化を推し進める考えで、工場も建設。米製薬大手ファイザーと共同開発した新型コロナウイルス用ワクチンだけでなく、他のワクチンやがん治療薬も生産する意向だ。

年内にも同国に事務所を設置し、総合生産施設を着工する。2023年に操業を開始。年産能力は数百万回分を予定している。従業員を最大80人、採用する。シンガポールは米マサチューセッツ州ケンブリッジに次ぐ同社2カ所目の国外拠点となる。シンガポール経済開発庁(EDB)の支援を受ける。

ビオンテックは伝令RNA(mRNA)ベースの医薬品を手がける企業。効果の高い新型コロナワクチンを世界に先駆けて開発したことから知名度が急速に高まった。もともとはがん治療薬を開発。18年からはインフルエンザ用ワクチンも開発している。シンガポールの工場では将来の新たなパンデミック向けの製品を生産することも視野に入れている。

新型コロナワクチンについてはファイザーと合わせて今年25億回分、来年30億回分を生産する予定だ。