デルタ株の感染比、6月中旬時点で37%に

感染力が特に高い新型コロナウイルスのデルタ型変異株(インド株)がドイツで急速に広がっている。ロベルト・コッホ研究所(RKI)が6月30日に発表した変異株に関するレポートによると、第24週(6月14~20日)の新規感染者に占めるデルタ株の割合は36.7%となり、前週(17.0%)の2倍以上に拡大した。現在のデータをもとに試算すると第26週(6月28日~7月4日)には少なくとも50%に達し、これまで主流だったアルファ型変異株(英国株)を抜いて感染の主流ととなる見通しだ。

デルタ株はアルファ株とともに、伝染力や重症化率が高くワクチンの効果も落ちる「懸念される変異株(VOC)」に分類されているが、感染力はアルファ株を上回る。このためデルタ株に感染する人の割合が高まるにつれてアルファ株の割合は低下。第24週は54.9%となり、前週の74.4%から約20ポイント下がった。ピーク時の第20週(5月17~23日)には91.2%に達していた。

州レベルのデータを見ると、ブレーメン、ハンブルク、ヘッセン、メクレンブルク・フォーポマーン、シュレスヴィヒ・ホルシュタインの5州では第25週(6月21~27日)の時点で50%以上となっている。

イエン・シュパーン保健相は1日の記者会見で、デルタ株は近日中にドイツ全体で主流になると述べたうえで、感染者の絶対数を低く抑えることが重要だと強調。「デルタ株にチャンスを与えるかどうかは我々にかかっている」と述べ、感染防止に引き続き注意を払うよう市民に呼びかけた。

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