感染者の4割以上は無症状

新型コロナウイルスに感染した人の4割以上で症状がまったくないことが、独マインツ大学医学部が実施した大規模な調査で分かった。知らず知らずのうちに他人を感染させるケースが多いことが改めて浮き彫りになった。

調査グループは25~88歳の地域住民1万250を対象に調査を実施した。それによると、無症状の感染者の割合は43%強に上った。

社会的ステータスが高い人では無症状でも自分自身が感染したことを知っている人が多いことも分かった。感染の有無を調べるPCR検査などを受ける頻度が高いことが背景にある。年齢層別でみると、65歳未満は65歳以上に比べ検査を受ける人が多いため、検査を通して感染の事実を知っている人が多かった。

教育水準や所得の低い層では感染者の比率が高かった。これらの層では社会的距離を保ったり手洗いをこまめに行う人が調査参加者全体の平均を上回っており、感染の原因は感染リスクが高い劣悪な生活・労働環境にあるとみられる。

子供は社会的ルールを守れず手洗いも頻繁に行わないことから周囲の人を感染させるリスクが高いとするこれまで流布してきた見方については、正しくないことが明らかになった。調査に参加した計2,200の子持ち世帯の感染率は子なし世帯と変わらなかった。

子供は感染リスクが低いことも分かった。大人に比べ免疫力が高いとみられる。