ドイツ銀が4四半期連続で純益計上

独銀最大手のドイツ銀行が28日発表した2021年4-6月期決算の純損益は6億9,200万ユーロの黒字となり、前年同期の赤字(7,700万ユーロ)から大幅に好転した。黒字計上は4四半期連続。組織再編の進展やコスト削減のほか、コロナ禍に伴う顧客の債務不履行の規模が小さく、貸倒引当金が7億6,100万ユーロから10分の1以下の7,500万ユーロに縮小したことが大きい。

税引き前利益は1億5,800万ユーロから7.4倍の11億6,500万ユーロへと伸びた。同利益が最も大きかったのは投資銀行部門で、7%増の10億4700万ユーロを記録した。国債発行が活発だった前年同期の反動で証券発行業務の収入はやや落ち込んだものの、コンサルティング業務が好調だった。法人向け部門の税引き前利益は7,800万ユーロから3倍強の2億4,600万ユーロ、資産運用部門も同59%増の1億8,000万ユーロと増益を確保した。

リテール部門は1,100万ユーロの赤字(前年同期:2億5,700万ユーロの赤字)となった。銀行が顧客の同意を得ずに手数料を引き上げるのは違法だとする最高裁判決の影響で利益が2億2,600万ユーロ押し下げられたことが響いた。

狭義の中核自己資本比率(CET1比率)は6月末時点で13.2%となり、前年同日の13.3%をやや下回った。

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