ライフサイエンス大手の独バイエルは5日、米バイオ医薬品企業ビビディオン・セラピューティクスを買収することで合意したと発表した。医薬品開発力を強化する狙い。7-9月期中の買収手続き完了を見込む。
ビビディオンを最大20億ドルで傘下に収める。まずは15億ドルを支払い、目標の達成度に応じて最大5億ドルを上乗せする。
ビビディオンはたんぱく質の異常に起因するがんや免疫疾患の治療薬を開発している。異常なたんぱく質の表面の結合部位に特異的に結びつく医薬品を通して、これまで適切な治療手段なかった病気を治せるようにすることを目指している。
バイエルの特許薬部門は現在、堅調を保っているものの、今後は稼ぎ頭の製品の特許が相次いで失効することから、今後は同部門の売上高が数十億ユーロ目減りする恐れがある。同社が開発中の製品でその穴を埋めるのは不可能であるため、提携や買収を通して開発パイプラインを補充する方針だ。