ドイツ連邦統計局と連邦経済省が5日発表した6月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を4.1%上回る114.2(暫定値)へと大幅に増加した。同指数の上昇は2カ月ぶり。大型受注で水準が強く押し上げられており、大型受注を除いたベースでは増加幅が1.7%だった。
国内受注が9.6%増えて全体をけん引した。特にデータ処理装置、光学製品、「その他の車両」が好調だった。自動車と機械も前月を上回っている。国外受注は0.4%増と小幅な伸びにとどまった。ユーロ圏外が0.2%落ち込んで足かせとなった。ユーロ圏は1.3%増加した。
伸び率が最も大きかった部門は投資財で、6.8%に上った。国内が14.8%増えたことが大きい。ユーロ圏も5.0%伸びた。
中間財は1.4%増え、3カ月ぶりに拡大した。国内が5.0%増加。ユーロ圏とユーロ圏外はそれぞれ2.7%、1.6%落ち込んだ。
消費財は1.1%減少した。国内は1.2%増えたものの、ユーロ圏が3.0%、ユーロ圏外が2.2%縮小した。
新規受注は新型コロナウイルスの流行が本格化する直前の昨年2月に比べると実質11.2%増加した。昨年2月を上回るのは9カ月連続。
製造業新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、4~6月は前の期の1~3月を実質2.8%上回った。大型受注を除いたベースでは増加幅が2.6%だった。
統計局が同日発表した6月の製造業売上高は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比1.4%減(暫定値)となった。昨年2月に比べると8.6%低い。新規受注は昨年5月から拡大傾向が続き、コロナ禍前の水準を大きく上回っているにもかかわらず、売上の回復は鈍い。これについて統計局は、原料や部品の供給不足が響いているとの見方を示した。
統計局は今回、今年5月の製造業売上を当初の前月比0.5%減から同0.4%減へと上方修正した。