メルクが業績予測引き上げ

製薬・化学大手の独メルクは5日の決算発表で2021年12月期の業績見通しを引き上げた。上半期が好調だったほか、ワクチン接種の拡大を背景に世界経済の回復が続くと予想されるためで、内部成長ベースの売上成長率を従来予測の「10~12%」から「12~14%」へと上方修正。米バイオ医薬品企業バイオジェンとの特許訴訟に絡んで計上していて引当金を取り崩したこともあり、営業利益(EBITDA、調整済み)については増加幅を従来の「16~20%」から「21~25%」へと引き上げた。売上高で「188億~197億ユーロ」、営業利益で「56億~60億ユーロ」を見込む。

21年4-6月期の売上高は48億7,000万ユーロとなり、前年同期を18.2%上回った。すべての部門で増収を確保。ライフサイエンス部門はコロナ特需と製薬会社からの需要増が追い風となり、23.2%の伸びを記録した。製薬部門もがん治療薬と不妊治療薬が好調で、19.2%増となった。電子材料は5.4%増。ディスプレー材料は減収となったものの、半導体材料と顔料は増収を確保した。

4-6月期の営業利益は46.7%増の15億7,600万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の25.4%から30.2%へと上昇した。税引き後利益は前年同期の2億8,900万ユーロから2.6倍の7億4,700万ユーロへと増えた。

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