保険大手アリアンツ、12月通期利益で記録更新見込む

保険大手の独アリアンツは6日の決算発表で2021年12月期の営業利益が「120億~130億ユーロとなり、19年12月期に記録した過去最高(119億ユーロ)を上回る見通しを明らかにした。上半期の業績が前年同期比36.7%増の66億5,500万ユーロと好調だったため、従来予測の「110億~130億ユーロ」から上方修正した。

21年4-6月期の営業利益は33億1,900万ユーロで、前年同期を29.4%上回った。3部門すべてで2ケタ台の伸びを記録。損害保険は18.8%増、生命・医療保険は29.5%増、資産運用は29.0%増となった。純利益は45.7%増の22億2,500万ユーロへと拡大した。売上高は10.9%増の343億ユーロだった。

同社は資産運用子会社アリアンツ・グローバル・インベスターズの不適切な投資で損失を受けたとして米国の複数の機関投資家から損害賠償訴訟を起こされ、米国証券取引委員会(SEC)と米司法省の調査を受けている。損賠請求額は合わせて約60億ドルに上るものの、これまでのところ引当金を計上していない。オリファー・ベーテ社長はこれについて決算記者会見で、時機をみて計上する意向を表明した。21年12月期の純利益に「マイナスの影響を与える可能性」があるとしており、下半期に計上するもようだ。

7月に独西部で発生した洪水被害に絡んでは7-9月期の利益が約4億ユーロ押し下げられる見通しを示した。独子会社は保険金を5億ユーロ強と試算していることから、その一部を再保険会社が負担するもようだ。

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