ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日発表した6月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で96.5(暫定値)となり、前月を1.3%下回った。減少は3カ月連続。原料や部品が幅広い業界で不足し、生産に支障が出ていることが反映された格好だ。新型コロナウイルスの流行が本格化する直前の昨年2月に比べると6.8%低い。
製造業は前月比0.9%減の94.3となり、3カ月連続で落ち込んだ。投資財が2.9%減少。中間財も0.9%低下した。消費財は3.4%増だった。
建設業も2.6%減の114.0となり、3カ月連続で低下した。減少の主因は木材不足。指数の水準自体はこれまでに引き続き極めて高い。経済省は、木材不足は近く解消されるとみている。
エネルギー業は0.6%減の86.4となり、2カ月連続で後退した。
鉱工業生産を特殊要因による統計上のブレが小さい3カ月単位の比較でみると、4~6月は前の期を1~3月を実質0.6%下回った。製造業が1.3%減少。自動車・自動車部品は減少幅が11.2%に達した。機械も1.3%低下した。建設業は2.4%増加した。
経済省は製造業の新規受注が好調なほか、輸出見通しも良好なことを踏まえ、業界の景気見通しは依然として明るいとの見方を示した。
5月の鉱工業生産指数は当初の前月比0.3%減から同0.8%減へと下方修正された。