独バイオ医薬品企業ビオンテックが9日発表した2021年4-6月期暫定決算の営業損益は41億9,840万ユーロの黒字となり、前年同期の赤字(8,090万ユーロ)から大幅に好転した。米製薬大手ファイザーと共同開発した新型コロナワクチンが世界の幅広い国で使用されていることが大きい。純損益も8,830万ユーロの赤字から27億8,720万ユーロの黒字へと転換した。売上高は前年同期の4,170万ユーロから27倍の53億850万ユーロへと激増しており、同社は21年12月期の売上高を従来予測の124億ユーロから159億ユーロへと引き上げた。
世界では現在、新型コロナウイルスのデルタ株が流行している。デルタ株はワクチン接種完了者でも感染の確率が高い「ワクチン突破型」の変異株。ビオンテックとファイザーが共同開発したワクチン「コミナティ」は重症化を防ぐ効果は高いものの、感染防止効果はやや低いことから、両社はデルタ株に対応した改良型ワクチンの開発を決めた。早ければ当局の承認を得て今月中にも治験を開始する意向だ。