化学業界が売上予測引き上げ、調達コストの上昇で

独化学工業界(VCI)は18日、同国化学・製薬業界の2021年売上高を従来予測の前年比8.5%増の2,060億ユーロから同11%増の2,110億ユーロへと引き上げた。原料調達コストが上昇しているためで、出荷価格の上昇率についても3.5%から6.5%へと上方修正した。生産高については4.5%増に据え置いた。

化学業界では世界経済の回復を背景にナフサ、鉱石、金属など原料の価格が上昇。また、船舶の運賃など物流コストも膨らんでいる。需要が旺盛なことから化学メーカーはこれを川下に転嫁しやすい状況ある。

今年上半期の業界売上高は1,110億ユーロとなり、前年同期を12.0%上回った。国内売上が12.4%増の430億ユーロ、国外が同11.8%増の680億ユーロとともに好調だった。生産高は5.9%増加。出荷価格は4.7%上昇した。

生産高の伸び率が最も大きかった部門はポリマーで、20.3%に達した。ファイン・スペシャル化学品(同8.7%)、石油化学品(6.9%)、無機化学品(6.3%)も業界平均(5.9%)を上回る伸びを記録した。医薬品は1.4%増と小幅な伸びにとどまり、消費者製品(洗剤、ボディケア用品、化粧品)は1.8%下落した。

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