生産者物価が51年来の上げ幅に、7月は10.4%

ドイツ連邦統計局が20日発表した7月の生産者物価指数は前年同月比10.4%増となり、第1次石油危機の余波が残る1975年1月以来51年6カ月ぶりの大きな上げ幅を記録した。同物価の上昇は8カ月連続。エネルギーと中間財がこれまでに引き続き全体を強く押し上げた。

エネルギーの上昇率は20.4%に上った。上げ幅は天然ガスで最も大きく38.0%を記録。取引所価格は442.1%、発電所向けは121.4%、産業向けは97.2%に達した。

石油製品も30.7%上昇した。液化石油ガスが77.4%、航空機燃料が77.0%、灯油が65.6%、自動車燃料が24.9%高くなった。

電力の上げ幅は15.6%に上った。取引所価格は同110.7%で、再販事業者向け(24.7%)と特別契約顧客向け(20.9%)も2ケタ台を記録した。一般世帯向けは0.7%だった。

中間財の上げ幅は15.6%に上った。製造業の景気回復を受けて原料や部材の需要が急増しているうえ、海運貨物などの運賃が高騰していることが背景にある。針葉樹材は111%、鉄・鉄鋼・アルミスクラップは100%、鉄筋は82%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金は52.3%、非鉄金属は23.2%、化学原料は19.0%を記録した。集積回路は9.5%低下した。

投資財は1.8%、耐久消費財は2.2%それぞれ上昇した。

非耐久消費財は上げ幅が1.8%だった。食料品は同2.3%。非加工の植物油が37.4%、バターが18.5%上昇したのに対し、豚肉は2.2%、アイスは3.5%低下した。

生産者物価指数は前月比でも1.9%上昇した。エネルギーが4.1%、中間財が2.3%の幅で上昇。投資財は0.5%増、耐久消費財は0.6%増、非耐久消費財は横ばいだった。

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