消費者信頼感が悪化、感染増やインフレ響く

市場調査大手GfKが26日発表したドイツ消費者信頼感指数の9月向け予測値はマイナス1.2ポイントとなり、8月の確定値(-0.4ポイント)から悪化した。新型コロナウイルスの新規感染者が高水準に達していることやインフレ率の高騰が響いた格好だ。調査担当者は、新規感染の大幅増加とワクチン接種テンポの鈍化、非接種者の行動制限論議を受けて消費者の先行き不安は大幅に強まったとの見方を示した。

インフレ率は7月に3.8%となり、1993年12月(同4.3%)以来の高水準に達した。これを受け景気の見通しに関する8月の指数(9月向け予測値の算出基準の1つ)は前月を13.8ポイント下回る40.8ポイントへと下落した。インフレ率の上昇は購買力を奪ううえ、歴史的な低金利で物価高騰の影響は増幅されるという事情が背景にある。ただ、同指数の水準自体は長年の平均であるゼロを大幅に上回っており、景気の見通し自体は依然として良好だ。

所得の見通しに関する8月の指数(同)は1.5ポイント増の30.5ポイントへと上昇した。コロナ規制の緩和でサービス業の雇用情勢が安定してきたことが大きい。調査担当者は、物価上昇の影響は現時点で出ていないようだと述べた。

高額商品の購入意欲に関する8月の指数(同)は4.5ポイント減の10.3ポイントへと落ち込んだ。コロナ禍で消費機会が少ないことから貯蓄は増えているものの、マスク着用と社会的距離規制が消費意欲に水を差しているとみられる。調査担当者は物価上昇の影響も排除できないとしている。

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