ドイツ連邦統計局が27日発表した7月の輸入物価指数は前年同月を15.0%上回り、上げ幅は第2次石油危機の渦中にあった1981年9月以来およそ40年ぶりの水準に達した。エネルギーと中間財がこれまでに引き続き全体を強く押し上げた格好。エネルギーを除いたベースでは上昇率が8.9%だった。燃料・原料価格の上昇は世界的に川下へと転嫁され始めており、物価は広い範囲で上昇している。
エネルギーは前年同月比で89.6%上昇した。景気回復のほか、比較対象の2020年7月はコロナ禍で水準が極めて低かったという事情がある。上げ幅は電力で171.4%、天然ガスで170.5%と前月同様に3ケタ台を記録。石炭(71.6%)、原油(68.9%)、石油製品(60.1%)も2ケタ台に上った。
中間財は19.2%上昇した。上げ幅は特に鉄鉱石(108.7%)、ひき立て材・仕上げ材(57.4%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(52.0%)、プラスチック(42.1%)、非鉄金属鉱石(38.1%)などで大きかった。
投資財は上げ幅が1.5%にとどまったものの、前月の同0.4%からは大きく上昇した。ノートパソコンが6.4%、自動車・自動車エンジンが2.2%上昇。データ記録媒体は3.7%低下した。
耐久消費財は前年同月を1.7%上回り、前月の同マイナス0.1%から上昇へと転じた。
非耐久消費財は上げ幅が前月の1.3%から2.5%に拡大した。動植物性油種は上昇率が23.1%に上った。
農産物は10.3%上がった。天然ゴムが47.8%、コーヒー生豆が33.8%、穀物が17.8%上昇。豚は14.0%落ち込んだ。
輸入物価は前月比では2.2%上昇した。
7月の輸出物価指数は前年同月比6.3%増となり、1982年1月以来の大きな上げ幅を記録した。同物価の上昇は7カ月連続。前月比も1.2%上がった。