ドイツ連邦統計局が29日発表した8月の輸入物価指数は前年同月を16.5%上回り、上げ幅は前月の同15.0%を一段と上回った。エネルギーと中間財がこれまでに引き続き全体を強く押し上げ、第2次石油危機の渦中にあった1981年9月以来およそ40年来の高水準となった。エネルギーを除いたベースでは上昇率が9.8%(前月8.9%)だった。燃料・原材料価格の上昇は世界的に川下へと転嫁されており、物価は広い範囲で上昇している。
エネルギーは前年同月比で93.6%上昇した。上げ幅は天然ガスで177.5%、電力で136.1%とこれまで同様に3ケタ台を記録。石炭も前月の71.6%から117.7%へと拡大した。原油は63.7%、石油製品は58.7%だった。
中間財は20.4%上昇した(前月は19.2%)。上げ幅は特に鉄鉱石(96.8%)、ひき立て材・仕上げ材(61.6%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(57.7%)、プラスチック(41.4%)、非鉄金属鉱石(36.1%)などで大きかった。
投資財は上げ幅が前月の1.5%から2.3%へと拡大した。ノートパソコンが6.4%、自動車・自動車エンジンが2.3%上昇。タブレット端末は2.8%低下した。
耐久消費財も上げ幅が1.7%から3.2%へと膨らんだ。前年同月を上回るのは2カ月連続。
非耐久消費財はプラス3.2%(前月+2.5%)となった。動植物性油種は24.6%増と前月に引き続き大きく上昇した。
農産物は12.2%上がった。天然ゴムが41.7%、コーヒー生豆が34.5%、穀物が25.6%上昇。豚は20.9%落ち込んだ。
輸入物価は前月比ではプラス1.4%となり、上げ幅は前月の2.2%から縮小した。
8月の輸出物価指数は前年同月を7.2%上回り、81年9月以来の大きな上げ幅を記録した。同物価の上昇は8カ月連続。前月比も0.7%上がった。