ドイツ連邦統計局が20日発表した9月の生産者物価指数は前年同月比14.2％増となり、第1次石油危機の余波が残る1974年10月以来の大きな上げ幅を記録した。同物価の上昇は10カ月連続。エネルギーと中間財がこれまでに引き続き全体を強く押し上げた。
エネルギーの上昇率は32.6％となり、前月の同24.0％を大きく上回った。上げ幅は天然ガスで最も大きく58.9％を記録。同取引所価格は446.6％、発電所向けは181.0％、産業向けは143.0％、再販事業者向けは65.4％に達した。
石油製品も36.3％上昇した。灯油が94.5％、液化石油ガスが85.9％、航空機燃料が71.1％、自動車燃料が30.2％高くなった。
電力の上げ幅は30.1％に上った。取引所価格は同176.6％で、再販事業者向け（49.9％）と特別契約顧客向け（37.4％）も2ケタ台を記録した。一般世帯向けは1.1％だった。
エネルギーを除いた輸入物価の上昇率は8.6％。
中間財の上げ幅は17.4％（前月17.1％）に上った。製造業の景気回復を受けて原材料の需要が急増しているうえ、海運貨物などの運賃が高騰していることが背景にある。針葉樹材は117.9％、木製梱包材は92.5％、二次原料は87.2％、鉄筋は81.8％を記録。銑鉄・鉄鋼・鉄合金は59.8％、非鉄金属は21.1％、化学原料は22.2％、肥料・窒素化合物は21.1％に上った。
投資財は2.8％、耐久消費財は3.2％それぞれ上昇した。
非耐久消費財は上げ幅が2.2％だった。食料品は同2.8％。非加工の植物油が43.8％、バターが15.5％、牛肉が11.3％上昇したのに対し、豚肉は5.5％、加工済みじゃがいもは2.2％低下した。
生産者物価指数は前月比でも2.3％上昇した。上げ幅はエネルギーで8.0％と特に大きく、中間財は0.6％、投資財と耐久消費財は0.4％だった。非耐久消費財は横ばいとなっている。