ドイツ連邦統計局が9日発表した9月の輸出高(暫定値)は営業日数・季節要因調整後ベースで前月比0.7%減の1,123億ユーロへと縮小した。減少は2カ月連続。原材料不足を背景に自動車など幅広い業界で生産が停滞していることが前月に引き続き反映された格好だ。
9月の輸出高は新型コロナウイルス感染症が同国で流行する直前の昨年2月に比べると実質0.3%低かった。コロナ禍前の水準を下回るのは4カ月ぶり。
輸入高は前月比0.1%増の992億ユーロとなり、2カ月連続で拡大した。昨年2月に比べると7.8%高い水準にある。
非調整ベースの輸出高は1,178億ユーロで、前年同月を7.1%上回った。比較対象の昨年9月は世界貿易が大きく落ち込んでおり、その反動が大きい。輸入高も同12.9%増の1,016億ユーロへと伸びた。
貿易収支は162億ユーロの黒字となったものの、黒字幅は前年同月に比べ19.0%縮小した。経常黒字は21.6%減の196億ユーロへと落ち込んだ。
輸出を仕向け先地域別でみると、伸び率が大きかったのはユーロ圏と欧州連合(EU)のユーロ非加盟国で、前年同月をそれぞれ9.2%、9.4%上回った。EU域外は4.7%増。米国は10.8%増えたものの、中国は0.2%減少した。1月1日付でEU域内市場と関税同盟から離脱した英国は10.0%減となり、2カ月連続で縮小した。
輸入ではEU域外との取引が17.1%増と大きく伸び、前月に引き続き全体をけん引した。中国は24.2%増、米国は0.9%増、英国は20.0%減。ユーロ圏は11.9%増、EUのユーロ非加盟国は4.5%増だった。
1~9月の輸出高は1兆105億ユーロとなり、前年同期を14.6%上回った。ユーロ圏向けが17.7%、EUのユーロ非加盟国向けが18.9%、EU域外向けが10.8%の幅で増加。英国向けは0.4%減となり、縮小へと転じた。
1~9月の輸入高は15.4%増えて8,685億ユーロとなった。ユーロ圏からが16.4%、EUのユーロ非加盟国からが16.1%、EU域外からが14.4%増加。英国からは8.4%減だった。
1~9月の貿易黒字は1,421億ユーロで、前年同期を10.2%上回った。経常黒字も8.5%増の1,759億ユーロへと拡大した。