南アなどを「変異株地域」に指定、接種完了者も隔離義務

ドイツのイェンス・シュパーン保健相は26日、南アフリカとその周辺国を新型コロナウイルス「変異株地域」に同日夜付で指定すると発表した。対象地域からドイツに入国できる人はドイツ国籍保有者や在住者に制限される。また、ワクチンの非接種者だけでなく、接種完了者と感染からの快復者も入国後14日間の自主隔離が義務付けられる。

南アフリカは25日、新たな変異株「B.1.1.529」が感染者から検出されたことを明らかにした。同株はスパイクタンパク質の変異が32カ所と極めて多いうえ、ワクチンの効果が従来株に比べ弱い可能性がある。感染力は現在主流のデルタ株を上回るとの懸念も持たれている。

同株はすでに欧州でも検出された。ベルギーのフランク・ファンデンブルック保健相は26日、エジプトから11日に帰国した1人が同株に感染していたことを明らかにした。発症は22日であることから、帰国後に多くの人に接触した可能性がある。

新型コロナワクチン製造の独ビオンテックは26日、同社が米ファイザーと共同開発した製品がB.1.1.529に対し有効かどうかを速やかに調べ、2週間以内に結論を出す意向を表明した。ワクチンの効果を弱める「エスケープ変異株」であることが確認された場合は、6週間以内にワクチンを改良。臨床試験を経て100日以内に出荷を開始する考えだ。

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