独社会民主党(SPD)は6日、同党から輩出する次期内閣のメンバーを発表した。連立先の緑の党と自由民主党(FDP)はすでにそれぞれのメンバーリストを公表しており、新大臣の顔ぶれが出そろった格好だ。SPDのオーラフ・ショルツ氏を首相とする次期政権は8日に成立する。
3党は11月下旬に成立した政権協定でどの党がどの閣僚ポストを獲得するかを取り決めた。SPDは官房長官を含めて7ポスト、緑の党は5ポスト、FDPは4ポストを得ている。3党この取り決めに基づき、それぞれ次期閣僚を指名した。
SPDからはナンシー・フレーザー氏(ヘッセン州支部長)が内務・祖国相、メルケル政権で法務相(兼家族相)を務めてきたクリスティーネ・ランプレヒト氏が国防相、同じく環境相だったスヴェーニャ・シュルツェ氏が経済協力・開発相、カール・ラウターバッハ氏(連邦議会議員)が保健相、クララ・ガイヴィッツ氏(副党首)が建設相に就任。フベルトゥス・ハイル労働・社会相は留任する。また、ショルツ氏の腹心であるヴォルフガング・シュミット氏は官房長官となる。
緑の党のロベルト・ハーベック共同党首は経済・気候相兼副首相、アンナレーナ・ベアボック共同党首は外相に就任する。同党からはこのほか、ジェム・オズデミル前共同党首が食糧・農相、アンネ・シュピーゲル氏(ラインラント・ファルツ州気候・環境・エネルギー・モビリティ相兼副首相)が家族・高齢者・女性・青少年相、シュテフィ・レムケ氏(連邦議会議員)が環境・自然保護・原子力安全・消費者保護相となる。
FDPではクリスティアン・リントナー党首が念願の財務相ポストを獲得。マルコ・ブッシュマン氏(連邦議会第一院内幹事)は法相、フォルカー・ヴィッシング幹事長は交通・デジタル相、ベッティーナ・シュタルクヴァッティンガー氏(ヘッセン州支部長)は教育・研究相に就任する。
ショルツ氏は内閣メンバーの少なくとも半数を女性とする意向を表明してきた。首相となる同氏を除くと男女がそれぞれ8人であることから公約をかろうじて守った格好となった。
SPDのラウターバッハ氏は疫学の専門家。新型コロナウイルスの流行が始まってからは連日、テレビに登場し人気が高まっている。ただ、危機管理能力に関して党内から疑問の声が出るなど手腕は未知数だ。