ドイツの新政権が設立した「新型コロナウイルス政府専門家委員会」は19日、今後の急速な感染拡大を防ぐために国と州は現在よりも厳格な接触制限を数日以内に実施するよう提言した。新変異株オミクロンの感染者がドイツを含む欧州で急速に増えていることを踏まえたもので、医療を含む重要インフラの機能を保つためには速やかな対策が必要不可欠だとしている。
オミクロン株の感染拡大のスピードは現在主流のデルタ株を大幅に上回っており、英国、ノルウェー、デンマーク、オランダでは感染者数が2~3日で倍増。ドイツでも2~4日で2倍に膨らんでいる。重症化リスクが仮に従来株より低かったとしても、現在のスピードで感染が拡大していけば、デルタ株ですでにひっ迫している医療に一段と負荷がかかる。また、警察、消防、通信、電力、物流など他のインフラにも支障が出る懸念がある。専門家委は全会一致で採択した提言文書で、「オミクロン株はこのパンデミックに新次元をもたらす」と危機感を表明した。
オミクロン株の拡大を鈍化させるためには、ワクチン接種を加速させる必要があるものの、それだけでは不十分との見解で、◇大規模な集会などを行わない◇集会などの際の迅速抗原検査体制を強化する◇感染防止効果の高いFFP2マスクを着用する――なども必要だとしている。