ドイツのオーラフ・ショルツ新首相と国内16州の首相は21日午後4時、新型コロナウイルス対策に関する協議をテレビ会議方式で開始した。従来株に比べ感染力の高い新変異株オミクロンに感染する人が国内で増えてきたことを受けたもの。決議案をもとに各種メディアが報じたところによると、クリスマス明けの28日から規制を一段と強化する方向だ。新政権が設立した「新型コロナウイルス政府専門家委員会」の提言を踏まえた内容となっている。ただ、ロベルト・コッホ研究所(RKI)は21日に発表した文書で決議案より厳しい措置を要請しており、決議内容が最終的にどのようなものになるかは現時点で定かでない。
国と州は今月初旬、コロナ規制を厳格化した。新型コロナワクチンの非接種者(感染から快復した人でワクチンの接種を受けていない人=快復者は含まない)に対する制限を大幅に強化することが柱で、非接種者はスーパーマーケットや薬局など生活必需品を取り扱う店舗を除き入店を禁止された。また、接触可能な人の範囲も大幅に制限。市民が私的・公的な場所で他人と会う際に非接種者がいる場合は、一家族に他の家族の2人を加えた人数が許容上限となった(14歳未満は同規制の対象外)。会合参加者が接種完了者・快復者に限られる場合は人数制限が課されていなかった。
決議案が施行されると、28日からは非接種者のいない私的な会合でも人数が最大10人に制限される(同)。また、クラブとバーは営業が禁止され、スポーツや文化などの大型イベントは無観客で実施しなければならなくなる。警察、消防、病院など重要インフラに対しては感染者の急増で勤務可能な人員が大幅に減っても対応できるよう、パンデミック対策の見直しを求める。
ブランデンブルク州のディートマール・ヴォイトケ首相は20日、オミクロン株には近い将来、少なくとも1,000万人が感染するとの見方を示した。これはドイツの人口の12%に当たる規模で、経済・社会機能が半ば麻痺する恐れがある。