新規感染9万人突破、オミクロン株は年初時点で全体の73%に

新型コロナウイルスの新規感染が急速に増えている。ロベルト・コッホ研究所が14日発表した前日の新規感染者数(報告ベース)は9万2,223人となり、これまでに引き続き過去最高を更新した。前週同日(5万6,335人)に比べると64%多い。感染力の極めて高いオミクロン株が主流となったことが背景にある。

新規感染者数は11日に8万430人となり、初めて8万人を突破。12日には8万1,417人に拡大していた。人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数は14日に470.6人となり、前日の427.7人から10%増えた。

オミクロン株への感染が確認された人は14日時点で計15万5,729人に達し、前日から2万1,427人(16%)増加した。1週間の同株感染者数(12日時点のデータ)をみると、2022年第1週(1月3~9日)は6万8,598人で、前週(12月27日~1月2日)の3万2,723人から2.1倍に拡大。人口10万人当たりでは39.4人から82.5人へと増えた。

新規感染者に占めるオミクロン株の割合は22年第1週に73.3%(11日時点のデータ)へと達し、デルタ株(同25.9%)を抜いて感染の主流となった。前週は40.2%(10日時点のデータ)、前々週は19.4%(同)だった。

22年第1週にオミクロン株の感染者数が最も多かった州(11日時点のデータ)はノルトライン・ヴェストファーレンで、1万4,137人に達した。人口が国内最大であることが大きい。2位はバイエルンで1万3,931人、3位はバーデン・ヴュルテンベルクで8,111人。4位のラインラント・ファルツは3,004人と、上位3州との差が大きい。

新型コロナ感染者に占めるオミクロン株の割合が最も高い州はブレーメンで、96.2%に達した。シュレスヴィヒ・ホルシュタイン(86.9%)、ニーダーザクセン(84.6%)、ザールラント(84.6%)、ハンブルク(84.5%)、ベルリン(84.1%)、ヘッセン(83.7%)の6州は80%台で、ノルトライン・ヴェストファーレンは75.8%、バイエルンは75.2%、バーデン・ヴュルテンベルクは72.0%となっている。東部地域では50%未満の州が多く、最低のメクレンブルク・フォーポマーンは10.6%だった。

オミクロン株の累計の入院患者数は1,443人で、同株感染者に占める割合は0.9%だった。死者は67人。年齢別の内訳は80歳以上が45人、60~79歳が17人、35~59歳が3人、15~34歳が2人となっている。

オミクロン株はデルタ株に比べると重症化リスクが低いことから、新型コロナ患者の集中治療病床使用率は13日時点で13.1%にとどまった。直近のピークである昨年12月12日(22.3%)を約9ポイント下回っている。ただ、オミクロン感染者の急増が続くと集中治療体制がひっ迫する恐れがあり、政府や医療機関は警戒している。

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