化学大手の独ヘンケルは9日、資生堂からアジア太平洋地域のヘアサロン向け事業を買収することで合意したと発表した。事業ポートフォリオを拡充するとともに、急成長するアジア太平洋市場で主要なプレイヤーとなることが狙い。買収金額は公表しないことで合意した。取引は規制当局の承認を経て7月1日に完了する見通し。
資生堂は当該事業を「SHISEIDO PROFESSIONAL」ブランドで展開。日本、中国、韓国を中心にアジア太平洋のほとんどの国で事業を行っている。雇用規模は研究開発要員を含めて500人強で、2020年の売上高は約1億ユーロに上った。
ヘンケルは今回の買収により、事業ブランドSHISEIDO PROFESSIONALの商標権使用ライセンスを取得するほか、「サブリミック」「プリミエンス」などの製品ブランドを獲得する。資生堂から買収する日本事業(資生堂プロフェッショナル=SPI)については、資生堂が20%を継続出資し、ヘンケルへの支援を行う。
ヘンケルは近年、ヘアサロン向け事業を強化しており、2014年に米セクシー・ヘア、オルタナ、ケンラの3社を買収。17年にはメキシコのナチュラ・ラボラトリオスと資生堂の米子会社ゾートス・インターナショナルを傘下に収めた。