伊藤忠が配達ドローンの独ウイングコプターと提携

伊藤忠商事は29日、欧州子会社ITOCHUヨーロッパを通じて配達ドローン開発・製造の独ウイングコプターに出資し、資本業務提携と販売代理店契約を締結したと発表した。ウイングコプターの日本市場開拓を支援する。出資額と出資比率は非公開。伊藤忠はウイングコプターの8番目の出資者となる。

ウイングコプターは2017年設立の電動垂直離着陸機(eVTOL)メーカー。医療品分野を中心に、アフリカでの医療品配送ネットワークの構築、日本を含む世界各地での実証実験を通して、ドローン物流の事業化を目指している。今後は開発中のドローン「ウイングコプター198(W198)」の安定した高速・長距離飛行の特長を活かし、食料品や日用品の配送にも手を広げる計画だ。フランクフルト南部のヴァイターシュタットに本社を置き、雇用規模は約130人に上る。

日本では有人地帯における目視外飛行(レベル4)が2022年度に解禁される見通し。これに伴いドローンは活用領域が広がり、物流手段のひとつとして様々な社会課題の解決に寄与すると期待されている。ウイングコプターは伊藤忠と手を組むことで「ドローン配達の最重要市場のひとつである日本」で事業を加速できる。伊藤忠の森田考則執行役員(欧州・CIS総支配人)は「ウイングコプターはこの分野のマーケットリーダーになるための最良のポジションを占めている」と述べた。