独総合医療大手フレゼニウスの医薬品・医療機器子会社フレゼニウス・カービは3月31日、バイオシミラー製造の西マブサイエンス(mAbxience)と点滴システムの米アイヴェニクス(Ivenix)を買収すると発表した。市場成長が見込まれる分野で事業を強化し、収益力を高める狙い。買収金額は合わせて約7億1,000万ユーロ。年央までの取引完了を見込む。
マブサイエンスはバイオ医薬品の後発薬であるバイオシミラーを専門に手がける企業。すでに新薬大手ロシュのがん治療薬「リツキシマブ」と「アバスチン」のバイオシミラーを製造販売している。2024年から29年にかけてはがんと免疫疾患の分野でさらなる製品を市場投入する計画だ。英アストラゼネカが開発した新型コロナウイルスワクチンをラテンアメリカ市場向けに製造する契約も結んでいる。従業員は約600人で、21年の売上高は2億5,500万ユーロだった。
カービは同社株55%を4億9,500万ユーロで取得する。製品の目標達成度に応じて支払うマイルストーンが将来的に上乗せされる見通し。カービはマブサイエンスを完全買収するオプション権も取得した。
アイヴェニクスは点滴をこれまでよりも簡単かつ安全に行えるシステムを開発している。カービは同社を2億4,000万ドル(2億1,500万ユーロ)で買収する。