新車のCFを30年までに半分以下に=メルセデス

高級乗用車・バン大手の独メルセデスベンツは11日に開催した投資家・アナリスト向けのESG(環境・社会・企業統治)説明会で、乗用車のライフサイクル全体で発生する二酸化炭素(CO2)の量(カーボンフットプリント=CF)を2030年までに20年比で50%以上、削減する計画を発表した。同社がESG説明会を開くのは初めて。車両の電動化、再生可能エネルギーによる充電、電池技術の改良、生産でのリサイクル材料・再生エネ投入を通して目標を達成する。

同社は新車販売に占めるプラグインハイブリッド車(PHV)と電気自動車(BEV)の割合を25年までに最大50%へと引き上げる。再生エネ比率の高い地域では30年までにすべてBEVとする計画だ。

生産に必要な電力については同年までに70%以上を再生エネで賄うようにする。自社工場のソーラー・風力発電能力拡大と、外部からの再生エネ調達で目標を実現する。電池、鉄鋼、アルミニウム分野ではCO2低排出・無排出製品とリサイクル製品の調達を拡大。25年からはグリーン鉄鋼投入の新モデル販売を開始する。

コバルトやリチウムなど採掘・加工段階で人権侵害リスクの高い計24の資源に関しては、サプライチェーンの透明性を高める。問題があれば改善措置を講じる意向だ。上級管理職に占める女性の割合を30年までに30%へと引き上げる目標も打ち出した。

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