独商用車大手ダイムラー・トラックは2日、バスのすべてのセグメントで2030年までに電動モデルを投入すると発表した。車両の脱炭素化に向けた取り組みの一環で、まずは主要市場の欧州とラテンアメリカで実現する。
二酸化炭素(CO2)排出規制が厳しい欧州では、地域路線用バスの販売を30年までに電池ないし燃料電池を動力源とする車種へ絞り込む。39年までには長距離路線用バス、観光バスもすべて電動化する意向だ。
同社はトラック同様、バスでも燃料電池搭載モデルを投入する計画。まずは電気バス(BEV)の「eシターロ」にサブ動力源として燃料電池を併載したレンジエクステンダーを、地域路線用バスとして23年から販売する。航続距離は最大400キロメートルと長いことから、交通事業者は柔軟に路線投入できる。eシターロのBEVも航続距離を最大280キロに高めた次世代モデルを今年末に発売する予定だ。
長距離バス分野ではBEVを25年から販売。30年までには燃料電池ベースの観光バスも投入する。
交通事業者には充電設備などのインフラを一手に提供するほか、研修サービスを通して電動バスの運用に必要な知識を伝えていく。
■燃料電池はトヨタが供給
トヨタ自動車は同日、ダイムラー・トラックのバス子会社ダイムラー・バスに燃料電池モジュールを供給すると発表した。eシターロのレンジエクステンダー向けに出力60キロワット(kW)のモジュール「TFCM2-F-60」を提供。車両への同モジュール統合も支援する。