ノースボルトの独セル工場に補助金1.5億ユーロ

ドイツ経済・気候省は11日、スウェーデンの電池スタートアップ企業が独北部に建設予定の巨大電池セル工場(ギガファクトリー)に補助金1億5,540万ユーロを交付すると発表した。欧州連合(EU)の「欧州の共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」の枠組みで支援。補助金の70%(約1億800万ユーロ)を国、残り30%(約4,600万ユーロ)をシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州が負担する。同社初のドイツ工場となる。

ノースボルトは2月、ギガファクトリーを建設することで同州政府と基本合意した。同州西部のハイデに設置する意向で、7月に最終決定を下す。23年の着工、25年末の操業開始を予定している。生産能力は最終的に年60ギガワット時(GWh)となる。これは電動車およそ100万台分の需要に相当する。

再生可能エネルギーを使用するグリーンな工場とする。電池リサイクル施設の設置も計画している。雇用規模は3,000人。

投資額は最大46億ユーロとなる見通し。同社は約20億ユーロを自ら捻出し、残りを補助金と投資家の資金で賄う意向だ。

電池セルの供給先は明らかにしていない。ピーター・カールソン最高経営責任者(CEO)は「ドイツ製の持続可能な電池の供給を受けることに顧客は巨大な関心を示している」と述べ、販売先の確保に問題はないとの見解を示した。

同社は自動車大手フォルクスワーゲン(VW)と共同で独ザルツギターに電池セル工場を建設する予定だったが、この計画は昨春、撤回された。プロジェクト進展のスピードが遅かったことを受け、VW側が見切りをつけたためで、VWはザルツギター電池セル工場の協業先を中国の国軒高科へと切り替えた。VWはノースボルトがスウェーデンで生産する「プレミアム電池セル」については供給を受け、高級車に搭載する。