自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンは18日、二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に低減したグリーン製鉄のスタートアップ企業H2グリーン・スチール(H2GS)から鉄鋼を長期調達することで合意したと発表した。自社のカーボンフットプリントを改善する。
2025年から32年にかけて調達する。調達量は年25万トン。これはZFの現在の鉄鋼使用量(250万トン)の10%に相当する。同社はこの効果でCO2排出量を年47万5,000トン削減できる。他の鉄鋼メーカーからも水素鉄鋼を調達方向で交渉しており、調達規模を拡大する考えだ。
H2GSは20年設立のスウェーデン企業で、従来品に比べCO2排出量が95%少ない鉄鋼を同国北部のノールボッテン県で生産する計画。同地は風力が強く水力発電にも適していることから、同社はこれら再生エネベースの電力で水素を作り、鉄鋼を生産する。コークスを還元剤とする従来型の製鉄では鉄鉱石中の酸素が炭素と結合してCO2が発生するのに対し、水素を還元剤とする酸素が水素と結合することから水ができる。
H2GSからはすでに、自動車大手メルセデス、BMW、ベアリング大手シェフラーが調達を決めている。