ライン川の水位が大幅に低下している。降水量が極めて少ないためだ。ドイツ連邦水理研究所(BfG)は、今後2週間は低下が続くと指摘しており、物流に支障が出る可能性がある。
ライン川は穀物や石炭、石油、化学品などを運ぶ重要なルート。水位が低くなると座礁リスクが高まることから、船舶は積み荷を減らしたり、運行を停止しなければならなくなる。2018年には原料・製品を輸送できなくなり、化学、鉄鋼、石油会社が減産に追い込まれた。
ロイター通信によると、デュースブルクよりも南の流域ではすでに数日前から荷物をフルに積み込むことができなくなっている。また、交通の難所であるカウプでは今後数日で安全航行ができなくなる恐れがあるという。
BfGのゲオグラフマルティン・ラバッツ所長は、ライン川の水位が低くなるのは通常9~10月だと指摘。7月時点で水位が大幅に低下するのは異例だと述べた。
BfGは河川が極端に増水した場合、航行停止を命じるが、水位低下の場合は水運会社が自らの判断で決める。運賃は高くなる。