シーメンス主導のP2Gプロジェクトで水素生産開始

電機大手のシーメンスは14日、同社がゼネコンとして独南東部のヴンジーデルに設置したグリーン水素生産施設が操業を開始したと発表した。製造した水素は同市と周辺地域に供給する。

同社は2020年、再生可能エネルギーを用いて水素を製造するパワーツーガス(P2G)プロジェクトをヴンジーデルで実施することで現地企業と合意した。シーメンスが45%、ガス会社リースナー・ガーゼが45%、地元エネルギー公社SWWが10%を出資する合弁運営会社WUN H2を設立。8.75メガワット(MW)級のプロトン交換膜(PEM)式電解槽を設置した。水素を年1,350トン製造できる。

WUN H2は製造した水素をガスボンベに詰め、トラックで150~200キロ圏内の地域顧客に供給する。チェコの西ボヘミアも主要販売地域に含まれる。

来年には水素補給スタンドを設置し、燃料電池トラック・バス向けの供給を開始する。これによりトラック輸送と公共交通機関のカーボンフリー化を後押しする考えだ。水素製造能力は将来的に17.5MWへと引き上げる意向で、現在、協議を行っている。

シーメンスはヴンジーデルのP2Gプロジェクトがドイツの炭素中立実現に向けた取り組みの重要なモデルになるとしている。