ハイデルベルクセメントが社名変更へ

セメント世界2位の独ハイデルベルクセメントは20日、社名とブランド名を「ハイデルベルク・マテリアルズ」に変更していくと発表した。温室効果ガスの主要な発生源であるセメントはイメージが悪いという事情を受けた措置とみられる。同社は炭素中立実現に向けて取り組む建設業界の先導者であることを、社名変更を通して示していく狙いを明らかにした。

まずは同日付でブランド名をハイデルベルク・マテリアルズに改めた。来年からはドイツ内外の子会社名も漸次、変更していく。広報担当者は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、株主総会で承認を得られれば同社本体の社名も変えることを明らかにした。

セメントの生産では二酸化炭素(CO2)が大量に放出される。全世界のCO2排出量に占める割合は約7%と高い。ESG(環境・社会・ガバナンス)投資が広がり、セメント業界に対する投資家の視線が厳しくなっていることから、同社は社名から「セメント」の文字を取り除き、イメージ改善を図る。

事業面ではすでにCO2排出削減に向けて取り組んでおり、来年からは炭素中立のセメントを市場投入する計画だ。生産で発生するCO2を回収して海底岩盤内に貯留。2030年までにCO2排出量を1,000万トン削減する。