鉱工業生産3カ月ぶりに増加、先行き見通しは暗く

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が7日発表した9月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価・季節・営業日数調整後の実質で97.8(暫定値)となり、前月を0.6%上回った。増加は6月以来で3カ月ぶり。第3四半期(7~9月)も前期比で0.5%増えた。ただ、需要が落ち込んでいるうえ、企業景況感の強い冷え込みも続いていることから、経済省は、今後数カ月の見通しは悪いとの見方を示した。

9月の指数を部門別でみると、製造業は0.7%増加し、3カ月ぶりに拡大。エネルギー業は4.7%減となった前月の反動で1.7%増えた。建設業は0.3%減少し、2カ月連続で落ち込んだ。

製造業では投資財が1.1%増、消費財が1.4%増となり、ともに2カ月連続で伸びた。中間財は0.1%減少し、3カ月連続で縮小している。

中間財低迷の背景にはエネルギー価格の高騰がある。エネルギー集約型産業では減少幅が0.9%と大きい。前年同月(物価・営業日数調整値)に比べると9.7%低い水準だ。

製造業の各業界をみると、製薬(10.9%増)、コークス・石油製品(10.5%増)、自動車・自動車部品(9.3%増)で増加幅が特に大きかった。データ処理装置/電子・光学製品(3.8%増)、製紙(1.2%増)、金属製品(0.9%増)も前月を上回った。化学(2.9%減)、機械(1.7%減)、ガラス・ガラス製品・セラミック(1.3%減)は減少した。

8月の鉱工業生産は当初の0.8%減から1.2%減へと下方修正された。